2022年7月にweb受験したメディア授業「情報サービス演習」の試験問題と解答例になります。
見直せば修正したい箇所は多々ありますが、試験で実際に提出したものをそのまま掲載させていただきます。少しでも参考になればと思います。
*注* 解答例の丸写し提出は大学より禁止されていますので、参考程度に留めて下さい。
「情報サービス演習」試験〜2022年7月問題〜
案内指示型のレファレンスツールを4点挙げ、それぞれの特徴を書きなさい。
「情報サービス演習」試験〜解答例(80点)〜
案内指示型レファレンスツールは、情報無いし情報源への案内(ガイド)を主な働きとしている。ここにいう情報ないし情報源を一次情報ないし一次資料とよぶならば、案内指示型レファレンスツールは典型的な二次資料である。この種のレファレンスブックには、書誌、目録、索引、抄録などが属している。これらによって、書誌情報は別として、求めている情報そのものを入手することができるわけではない。求める情報を記録している図書、雑誌などにはどんなものがあるか、それはどこにあるかなど、必要とされる図書とか雑誌に関わる情報とか、その所在についての情報を求めるために利用される。このような道具(ツール)的に利用されるところから、この種の資料はしばしば「書誌ツール」ともよばれている。なお、書誌ツールが手がかりとして与えてくれるのは書誌データである。ここでいう書誌データは、たとえば、図書の場合には、著者名、書名(タイトル)、出版地、出版社名、出版年、ページ数(あるいは冊数)などであり、雑誌記事の場合には、その記事名、執筆者名、収載誌名・巻号、所収ページなどである。
(1)書誌
書誌ツールの代表例が書誌である。書誌は、いわゆる文献資料(以下、資料という)を収録対象とし、それらの書誌データを一定の配列方式に従ってリストしたものである。ここにいう資料は、書誌データによって表せるものであれば、図書、雑誌、パンフレットなどのほか、それらの一部であってもよい。ここにいう書誌は、列挙書誌であり、一時的書誌と二次的書誌とに大別することができる。一次書誌は収録資料の出版地、出版年、出版形態などによって制約されることがあるが、包括的活網羅的であることを特色とする。これらはまた、一般書誌ともよばれる。この種の包括的・網羅的に書誌情報を提供する一時的書誌を利用して、ある一定の基準或いは観点を設けて、収録資料を選び出してつくることのできる種類の書誌が二次的書誌である。もっとも、しばしば一時的書誌が不備であるために、それだけを利用していたのでは満足な書誌が作れないことがある。
書誌の種類としては、一時的書誌として、世界書誌、全国書誌、販売書誌があり、二次的書誌として選択書誌、人物書誌、主題書誌、翻訳書氏、特殊書誌などがある。また三次的書誌は「書誌の書誌」と呼ばれる。
(2)目録
書誌が文献リスト或いは文献目録と呼ばれるように、目録と上述の書誌ということばはしばしば混用される。しかし、書誌と区別する意味において目録ということばが使われる場合は、収録されている資料がどこにあるのか、その所在が明らかな資料の書誌データのリストをいう。たとえば、特定の図書館の「所蔵目録」とか、複数の図書館の所蔵資料を対象とする「総合目録」などとよばれる場合が本来の意味での目録である。目録がつくられた時点では、そこに収録されている資料は実際に存在し、それに基づいて書誌データが記述され、その所在を指示している点に目録の特徴がある。目録が所在指示機能を持つといわれるゆえんである。
目録の種類としては、個別館目録として、資料別の目録(所蔵目録など)、資料別目録(図書目録など)、主題別目録(人文社会科学資料目録など)があり、複数館目録(総合目録)として、全国的総合目録、資料別総合目録(図書総合目録など)、館種別総合目録(大学図書館総合目録など)がある。
(3)索引
書誌、目録と混用されるのが索引である。索引は、特定の資料ないし資料群に含まれている資料ないし情報を容易に見つけ出すことができるように、それらを一定の配列方式に従って収録し、その所在を示しているリストである。したがって、索引は書誌や目録と同様に、資料の書誌データを索引対象にしている種類、つまり書誌単位レベルの索引と、その記録内容を索引対象にしている種類つまり記録内容レベルの索引とに大別することができる。前者の書誌単位レベルの索引と書誌とは文献リストとしての共通性があり、さらに所在指示機能を持つという共通点があるため、書誌単位レベルの索引と目録と二共通性があるところに混合の原因がある。もっとも、慣用的には、図書の所在を確かめるためのリストを目録と言い、図書の一部とか雑誌・新聞所収の論文や記事の所在を確かめるためのリストを索引ということが多い。
索引の種類としては、書誌的な索引として、叢書合集索引、逐次刊行物索引があり、非書誌的索引として、内容索引、語句索引などがある。
(4)抄録
抄録は図書、雑誌論文などの原著作(以下、原著論文という)の内容を簡潔かつ客観的に要約したものである。その要約のくわしさによって、指示的抄録と報知的抄録に分けられる。前者は、原著論文の比較的短い要約(サマリー)であって、原著論文の趣旨を捉え、それについて注意を喚起し、抄録を読んだ人が少なくとも原著論文を参照するかどうか判断することができる程度の詳しさのものである。後者は、原著論文の内容を比較的詳細に要約し、研究の目的、対象、方法、結果、結論その他の主要な論点やデータを与え、原著論文を参照しなくても、その内容を把握することができる程度の詳しさのものである。この区別は相対的なものであり、両者を明確に区別することは難しい。また作成者によって抄録が区別されることもある。原著論文の著者自身が作成した抄録を著者抄録といい、著者以外の人によって作成された抄録を第三者抄録或いは非著者抄録という。著者抄録は原著論文を発表する際に論文に添えて収載されるところから、それが雑誌論文の場合には同誌掲載抄録と呼ばれることがある。著者抄録、第三者抄録などを抄録対象として定期的に発行される逐次刊行物が抄録誌である。これは、抄録文のほかに、原著論文を参照するために書誌データが加えられているところから、索引誌としての機能も果たすことができる。JSTPlus(科学技術振興機構)がこれに当たる。
(2435字)
感想
過去問に類似問題がありませんでしたので、問題文を読んで焦りました。参考文献『レファレンスブックス: 選びかた・使いかた』を使用して、なんとか書き上げた内容です。まとめる時間がなく、長文になってしまっています。

参考文献『レファレンスブックス: 選びかた・使いかた』がなければ答えられなかったと思います。どれだけ理解できているか、色んな切り口で問われるのだなと思い、さらに理解を深める必要性を感じました。
試験で使った参考資料
メディア授業の試験勉強で自分なりに準備したことについては、こちらで記載していますので、ご参照下さい。